俺と彼女が揃えば最強だ!グレーターミニオンズ
おかず
第1話
にぎやかな朝の教室。そこではクラスメイト達が楽しそうに話している。僕もその中のひとりだった。
「なあ谷中聞いたか。」
少し僕の机に食いぎみで話し掛けてきたのは友達のやっしーこと八島健人だった。やっしーとはもう小学校の頃から仲が良く今、高校二年生だからもう10年以上の付き合いになる。
「聞いたって何が?」
「やっぱり知らなかったか。実はな」
「実は?」
「実は大スクープを発見したんだ。気になるだろ」
「どうせ高坂ティーチャーがヅラとかの話だろ。くだらねえ」
「そんなことじゃねえ。なんと我が二年五組に転校生がくることになった。しかも今日だ。」
「マジかよ。それ本当なんだろうな。」
「ああ、見かけねえ美少女がいたから気になって高坂先生に聞いたんだ。そしたら、このクラスにくるってよ。しかも美少女だぜ。び・しょ・う・じょ」
やけに美少女という部分を強調して僕に伝えてくる。彼女がいない。僕への嫌みだろうか。少し訊いてみてすぐ後悔した。
「なあそれは僕に対する嫌みか?」
「いや別に意識したつもりはないけど。ところで谷中」
「なんだ」
「お前、彼女は?」
「てめえこのやろ」
「その指おってやる。」
「テテテテテ痛い。悪かったって」
僕が指を関節の逆方向にひねってやるとやっしーは痛がり謝り出す。
「仕方ない。今日はこの辺にしてやろう」
「今日はってなんだよ。こええなあ」
ふと時計を見ると、SHR1分前だ。
「おい、やっしーもう始まるぞ」
「何が。ああSHRか。ありがと」
やっしーは僕の席から離れた自分の席に座った。
その頃には他のクラスメイトも席に着き例のヅラ疑惑の高坂ティーチャーが入ってきた。
キンコーンカンコーン キンコーンカンコーン
「SHRを始めるぞ。日直号令」
「これからSHRを始めます。気を付け、礼」
「「「お願いします」」」
「着席」
「今日はまず最初に大ニュースがあります。なんとこのクラスに転校生がやって来ました。」
「えっマジ」「ホント?」そんな声がクラスのあちこちから聞こえてくる。
「はい、静かに。それでは荒川さん入ってきてください」
ガラッ
ドアが開き人が入ってくる。その人は黒髪のロングで脚も長くとてもきれいで爽やかな女性だった。だからだろう。気付いた時にはもう惚れていた。
「おはようございます。荒川美里です。この度この高校に転校してきました。これからよろしくお願いします。」
惚れているからなのか。それとも、もともと綺麗だからなのか。はたまた、両方か。その声すらも美しく思えてくる。
そこからのことは正直あまり覚えていない。気付いた時には学校が終わり家にかえっていた。授業を受けた記憶がうっすらあるから多分自分の意思で家に帰ってきたのだろう。「ただいま」と親に言い部活から帰ってきて汚れている体を風呂で洗い流し晩御飯を食べその日はそのまま寝た。それからだった。起きたらもうこの力が使えるようになっていたのだ。
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