契約の祭壇

港龍香

プロローグ「空から落ちる夢」

引きこもりだった俺がいつも見る空は天井だった。

薄暗いクリーム色の空、それが俺の世界


晩御飯も食べていつもの空を見ながら眠りにつくと、次に見た空は青と白だった。

ずっと見ていなかった青空…というか俺は今上空にいた。


そう俺は落ちていた。

怖くて下は見れないけれど、かなりの時間落ちていながら地面に近づいてる感覚はない。

でも不思議と不安はない、むしろ安心感さえある。

その安心感は「どうせ生きるんだろう」なのか「死んでもいいや」なのか分からないけれど。


だってこれは『夢』だ。

起きたらいきなり上空でしかも落ちている。

どこの主人公だよって話だ、俺にはそんなもの似合わない。

下からくる風の感触も温かさも妙に生生しいけど、きっと明晰夢なんだろう。

もう一度眠りにつこう。


空から落ちる夢なんて…不吉すぎる

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