Encounter~港太視点~

死後の世界

と聞いて想像するのはどんなものだろうか?

僕が信じていたのは

良いことをした人が天国に

悪いことをした人が地獄に

と思っていた


他の人がどう思っていたなんて

僕は聞く前に現世の人じゃ無くなったから解らない


ただ

死後の世界は存在する

天国も地獄もないけれど

そう死後の世界にあるのは現世と同じ風景

ただ・・・そうただ見分ける方法は二つ

一つは死んでも死なない体 でも歳はとるこの体

つまり半不死身って感じなのかな


もう一つは特殊能力

この特殊能力を良いことに極めると

天使と神に

悪いことに極めると

悪魔と死神になる


夢物語みたいな話だが

これが今 僕がいる世界

今現在生まれ変わることなく高校1年生

生まれ変わる時間は人によってそれぞれ

すぐに生まれ変わる人もいれば

こっちで長く生きて生まれ変わる人もいる

僕はこのときが楽しみでしょうがない

いつ生まれ変わるかドキドキするんだ

まぁ そんなこんなで今高校生にまでなってしまった

今でもワクワクはする


特殊能力は 一人に一つだけ持てる

能力は人それぞれ

今の神は風だったかな・・・

対する僕は電気

電気といっても空気中にだせる

つまりは放電って言うのかな

静電気と少し似ている

でも僕は最近その電気を外に出せるようになっただけで

まだ自分の周りにしか出せない

自分の能力が電気と言うのも楽で

電気代というものが全くかからない


・・・・こんなのが現実にあったらなぁ


とかいつも思ってしまうけど

それだと世の中混乱しちゃうよね

・・・バイトまでまだ時間あるな・・・

ちなみにこの世界でのバイトは小学生でも出来るものがある

といっても小学3年生までは

天使や悪魔が育ててくれる

悪魔って言っても能力的に悪いことにしか極められないものがあって

それで悪魔になった人が多いみたい

なかには本当に悪い人もいるみたいだけど・・・

今の死神はそういえば知らないな・・・

女の人って噂だけど・・・・一回あってみたい気がする

と僕は通学路を歩く

学校からバイト場所まで遠いけど

このペースならすぐついちゃうな

どこかで買い物でもしようか・・・?

と踏切まで歩くと


「おい 金かせや」


と不良達が表れた

どうしよう・・・・僕は周りを見る

誰もいない・・・どうしよう

どうやって逃げよう

後ろにダッシュで逃げてもいいけど・・・・


「情けないわね こんなときはすぐ攻撃よ」


と後ろから声が聞こえた

あれ? 僕周りに人いないって言ったよね?

女の子は僕の肩に手を置いて 僕の前にでた

165cmぐらいで 身長と同じくらいの黒い髪


「そこの女もだまって金わただだだだだ!!」


と女の子は不良に電気を浴びさせた・・・

この子も電気なのかな?

と見ていると・・・


「あなた 面白い能力ね」


と倒れた不良の頭に触り

手を振ると空間に裂け目が出来てその中に消えた


「くそ! どこ行った!?」


と言った不良の後ろに空間の裂け目が表れ その名から女の子が出て

また一人倒した


「くそ・・・くそなんなんだよぉ!」


最後の一人がかかってくると

小石がその不良に襲いかかってきた

最後の不良は気を失った


「ふう こんなものかしら?」


と女の子は言う


「大丈夫? あら あなた高校生だったのね」


と女の子の制服を見るとたしかに 高校の制服だ


「ありがとうございます 僕1年の磁怪 港太(じげ こうた)です」


「1年生ね 私は2年の巳病 山吹(みびょう やまぶき)よ」


巳病・・・・?


「生徒・・・会長!?」


と僕は驚く


「あら・・・気づいてなかったのね・・・私もまだまだだわ」


「あ・・いえ 戦いで顔がよく見れなかったので・・・」


僕 人見知りだし内気だからあんまり人の顔見て話したことあまりないけど

でも会長は 僕の憧れの人だったから きちんと顔を見て覚えていた


「あ・・・ 会長 あの・・・会長の能力ってなんですか?」


僕はさっきから気になっていたことを言った

能力は一人に一つ

会長だけ・・・特別だったりするのかな?


「私の? 私の能力は『人の能力を借りる』ことよ」


え・・・?


「借りる?」


「そう 最初は磁怪君の放電 それで倒した相手の空間能力 最後はテレキネシス」


そういうことだったのか・・・

僕はふと携帯の時間を見ると・・・


「あ 早く行かないと バイトに遅れる すみません会長 ありがとうございました!!」


と僕はその場を去った


~次の日~


はぁ・・・疲れた・・・・店長 人使い荒いんだよ・・・

まぁ給料良いし 休みも多いから別に良いけれど・・・


「おいこーたー」


「何? 水?」


と前の席にいる僕の友達 考初 水重(こうしょ すいじゅう)が話しかけてきた


「今日バイト あるかー?」


「ないよ? どうしたの?」


「お前んち言っていいか? ゲームしようぜ!」


「いいよ」


と言うとアナウンスが入る


「1年 考初 水重君 磁怪 港太君 生徒会室に来てください」


「なんだぁ?」


本当に・・・なんでなんだろう?


~生徒会室~


「来たわね」


と会長が言う


「美人な会長さん おはようございます 俺たちになにか御用でしょうか?」


早速口説きにかかってるよ こいつ


「僕たち 何かしましたか?」


「あなた達に頼み事があるのよ」


と会長はそのままこう言った


「あなた達 副会長と書記になって欲しいの」


「え?」


僕は聞く


「前の副会長と書記は辞めてしまって 空きがあるのよ」


「なんで・・・辞めてしまったんです?」


「反逆者だったからよ」


と一旦空気が止まる


「まぁ 知ってて入れてたんだけどね 誇りはあるみたいだから辞めないと思っていたのだけれど・・・」


反逆者

この世界における

ただ一つの悪い組織だろう

目的は・・・僕には知らないけど


「あなた達は能力的に申し分ないからね 放電と重力操作」



「じゃ 俺書記なー!」


「はッ!?」


と僕は水に言う


「早いもん勝ちだぜこーたー しかも俺の方が字上手だし」


まぁ・・・それは否めない

でも副会長なんて・・・荷が重すぎるよ


「決まったかしら? 早速今日から働いてもらうわよ」


「「はい」」


~放課後~


・・・・疲れた・・・バイトなくてよかったよ

でも いつも早めに帰れるみたい

バイトあるのはみんな同じだからね


「遅くなったけど こーたーん家いっていいか?」


「いいよ」


「さんきゅ あ もっと欲張れば泊まっていいか? 今月給料少なくてさー」


「うん それじゃ一回戻って僕の家集合ね 晩ご飯なんでもいいだろ?」


「おうよ!」


と水は走っていった

今から思えば

副会長と書記が辞めてしまったことに何の疑問も思っていたなかった

僕が愚かだった

これから

死後の世界で起きる

僕たちと

反逆者達の

かつてない大きな戦争が

始まろうとしていた

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