発生

 今日も幸福な一日だったな。

そう思いながら、自動操縦にのカプセルに乗りながら自宅へと向かう。


 いつも通りの日常、その事に幸せを感じる。

いつも通りの日常を送れることは、それは幸せなことなのだ。

労働という概念もなく、自由に過ごすことが出来る。

 極希に、解放党の奴らが騒いでいたりもするが、全く意味がわからない。

この楽園が失われたらどう責任を取るつもりなのだろうか?

 

 少々の疲れからか、微睡んでいる時であった。

爆発音が響き、振動を感じた。

急に、浮遊感が訪れ自分が乗っているカプセルがチューブから放り出されたことを理解した。

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 予想外の事態に叫びを上げる。

しかしどうしようもなく、俺が乗っているカプセルは地面へと近づいていった。


 大きな衝突音が響いた。

俺は死んだんだろうな・・・


 そのまま意識を落とそうとすると、ピッピッピッという音が響いていることに気づいた。

不思議に思い目を開けると、自分が未だカプセルの中に入っていることに気がついた。

「おぉ、生きてた」

気が抜けた、言葉が口から漏れた。

いや、実際こんな物であろう。

とりあえず、カプセルから出ることにした。


「ってか此処何処だ?」


 地面に衝突したはずが、薄暗い廊下に降りたっていた。

「今時、こんな場所があるなんてなぁ・・・」

今の時代、町中に明かりがないところなんて、就寝時間後の寝室くらいの物だろう。



 物珍しさに負けて少し探索する事にした。

 「ふぅん・・・なんか、珍しいなぁ」

少し古めかしい感じがして珍しく感じた、ロボットに修理を任せれば、いつでも

最新のきれいな状態にしてくれるのに・・・


 少し歩くと扉を見つけた。

「うーん・・・これ開けていいのか?」

扉の前には、『キッスで起こしてくれるイケメン王子様待ってます♡』

見れない顔をしているわけではないと思うのだがいざ、自分がイケメンか?と問われれば否と答えられるくらいには、平々凡々な顔つきをしているだろう。


まぁいい、怒られたら怒られただ。

此処が何処なのかを確認するためにも、この中に人がいるとしたら接触せねばなるまい。

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