第一章 出会い
「おっいらっしゃい、久しぶり」
ドアを開けて店に入ると、中性的でありながらどこか男の色気を感じさせる声に出迎えられた。
声の主は月に数回ほどくるバーのマスターだ。
席に着こうと上着を脱ぎはじめたそのとき初めて店内にいるのがマスター一人じゃないことに気がついた。
それが彼女との出会いだった。
闇に溶けるような漆黒のドレスを纏い、ドレスとは正反対な白い肌を晒す彼女はつまらなそうにお酒の入ったグラスを見つめていた。
そんな彼女に見惚れてるとマスターに「突っ立てないで席に着きな」と言われ我に返った僕は脱いだ上着を彼女の二つ右の席に掛けそのまた右の席に着こうとして思い直し彼女に声をかけ隣に座ることにした。
「きゃっ、きゃなぁいシット……ええっと」
「ふふ、どうぞ、それと日本語で大丈夫よ」
そう言って笑った彼女はさっきまでとは違いとても可愛らしくて、魅惑的でもっと彼女のいろんな顔を見てみたいと思った。
つまり僕は恋に落ちたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます