過去の恋愛を想い出して
恐らくいまだに私はあの男が好きだ。
その想いを断ち切ることができているのは、今の恋人が私を途方もなく愛してくれるからだ。
目覚めるたび、仕事から帰ってくるたび、ベッドに入るたび、必ず愛を囁かれ抱きしめられる。それがどれだけ満たされることか。
私は、恋人の愛を搾取している。あの男に削り取られた愛を取り戻そうと、恋人から愛を奪っている。
幸運にも、あの男は別れた女には見向きもしない人間だ。
だから近い将来、私は今の恋人からの一方的な搾取ではなく、きちんと対等に愛を提供し合えると思っている。
愛している。
この言葉をあの男に言わなくてよかった。
ずっと、あの男が私の運命だと思っていた。でも、私を運命だと思う人間は別にいて、それが真実かどうかはさておき、きっと幸せの近道だ。
さようなら。
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