ユメノキ先輩 3
これは、○○刑務所から僕宛に届いた、ユメノキ先輩からの恐ろしい手紙の一部だ。
「久しぶり、なんて手紙で挨拶するのも変な感じだけれども、どうだい、元気でやっているかい。半年ぶりだろうか。君にこうして手紙を送るのも。そういえば、出版社に就職したそうだね。おめでとう。君が望んでいた職場につけて僕も嬉しいよ。是非とも経験を積んで、将来、僕が出すことになる小説のサポートをしておくれよ。彼女とはうまくやっていけてるかい。君が僕に恋愛相談をするなんて初めはビックリしたけれど、君がうまくやっているのなら応援したかいがあるってものだ。君と彼女の事だ。深くは立ち入らないけどきっとうまくいくと信じているよ。同じサークルにいた眼鏡のあの子は元気だろうか。恥ずかしいことに、僕は記憶が悪くて名前を思い出せないんだが、屈託なく笑う顔が素敵だったなあ。会いたいよ。本当に――」
え? この手紙の何が恐ろしいかって?
それはね、この手紙には、一つも本当の事が書かれていないんだよ。全部嘘なんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます