玉ねぎインパクト
ファフロツキーズ……魚、虫、オタマジャクシ、カエル等およそありえないであろうモノが突如空から降ってくる現象。古来より地球の至る所でその現象は目撃されている――。
凄まじい音を立てて、車のボンネットをへこまし、窓ガラスを割り、屋根を砕き、人を襲う。今まさにこの町を襲っているのは「玉ねぎ」である。人々は涙する。それは玉ねぎの催涙成分によるものなのか、それとも至るところで人間が昏倒しているその凄惨な光景に絶望しているからか。
物陰に隠れた人々はその惨劇が過ぎ去るのをただ待つのみ。ガタガタと震えながら。鼻水を垂らしながら。
願いは諦めの感情が浮き出てきた頃にようやく叶えられた。人々はノロノロと、変わり果てた外の世界へ這い出る。目を開けていられない。突き刺すような臭いが鼻を襲う。しかし、終わったのだ。ようやくこの地獄から開放されたのだ。しかし安堵した人々の目に映ったのは、遠くの空を緑に染める「キャベツ」の群れであった。
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