いつも俺にだけキツイ幼馴染と一緒に異世界に飛ばされたのだがどうすればいいのだろう
くすゆう
いざ異世界へ!!
第1話
容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群の彼女は、俺と同じ1年E組である。
彼女の見た目はなんというか……ポワポワしていて癒し系といった感じの容姿である。
そして、校内ヒエラルキーでは最上位に君臨し、この学年の女王様と言っても過言ではないだろう。
ぼっちの俺とは正反対だ。
今はそんなことより、目の前の訳の分からん状況を整理するとしよう。
なんと、何故かその矢作伶奈と共に異世界と思しき所に、来てしまったのだ。
どうしてこんなことになってしまったのか。
……俺は、先ほどまでの記憶を思い出す。
*******************
……学校から帰宅しゲームをしていた俺は、コーヒーを飲みたくなったので近くの自販機に買いに行くことにした。
自販機に着き、愛しのミルクコーヒーを買うためにいつものボタンを押そうとしたとき、視界の端に俺の通っている高校の制服を着た女子が映った。
誰だと思い一瞥すると、そこにはスマホをいじりながらこちらに歩いてくる伶奈の姿が映った。
話かけられるとキョドリそうで嫌なので(ていうかいつもキョドってるんだが)気づかれないようにしようとそっとその場を離れようとしたときだった。
伶奈がこっちを向いたのか、俺に気づき声をかけてきた。
「あ、優斗。何してるのこんなとこで。」
「あ、お、おう。れ、伶奈か、奇遇だな。ちょっとミルクコーヒー買いに来たんだよ。」
今日も安定のキョドリっぷりだ。
「へー。そうなんだ。まあどうでもいいけど。」
ひどい。
まあいい、とっとと会話を切り上げて家に帰ろう。
そう思い、じゃあな、と声をかけようとすると伶奈が先に
「じゃあ一緒に帰ろうよ。家近くなんだし。優斗も今帰るとこなんでしょ?」
と言って来た。
先ほどの伶奈の発言からも分かるように、俺と伶奈は家がすぐ近くなのだ。
伶奈とは小中高と学校が一緒で、俗に言う幼馴染というやつだ。
ただし幼馴染とは言えど、一緒に学校にも行ってなければ顔を合わせたときくらいしか喋らない。
現実の幼馴染とはこんなものなんだろう。
それはいいとして、やけに今日の伶奈はマイルドだ。
いつもの伶奈は会話が終わると一緒に帰ろうなどと言わずに、やれ「着いてくんな、カップルだと思われると嫌だから。」だの、やれ「キモいからくんな。」だのと言ってくる。
言われなくても着いて行く気は無いんだがな。
それに比べ今日の伶奈は優しいな。
「明日は槍でも降ってくるんじゃないか?」
「たまには私も優しい時があるのよ。」
「いつも自分が優しくないって自覚してたんだな……。」
「じゃ、帰りますか。」
俺がそう言って、歩を進めようとしたその時だった。
突然、眩い光が俺たちの目を襲った。
「ッ!!」
「キャッ……!!」
思わず声を漏らすほどの強い光だった。
いつも俺にだけキツイ幼馴染と一緒に異世界に飛ばされたのだがどうすればいいのだろう くすゆう @kusuyuu
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