第37話 読者層を意識する(何で読んでるか)

 読者層を意識するのはWEB小説では書籍の小説より大変だ。何故なら、読者が何で読んでるかも考えなければならないからだ。

 パソコンで読んでくれるなら改行や空白行、一話当たりの文字数にも余裕があるだろう。しかし、ガラホやスマホで読む読者を想定すると制限が生じる。

 

 うちの息子達を見ていると、スマホで読みづらい作品は嫌がる。空白行には、いわゆるページを送る際のしおり的な役割も担わせてるらしいので、空白行が無いと文句を言う。それもほぼ五行かそこら以上で空白行が無いと文句が出ている。

 また、一話の文字数が多くても文句を言う。およそ三千字を越えると多いと言い出す。


 これはうちの息子の話だから、一般的ではないとは思う。だが、目の前でブーブー言ってる姿を見ると、やはり意識せざるを得ない。


 なろうで人気の作品を見ると、息子達なら文句を言いそうな作品が人気だったりする。先日アニメ化された「knight & magic (ナイトアンドマジック)」など、一話の途中で読むのを止めたらしい。アニメで観たら面白かったと言うが、原作を読むつもりは無いとも言う。続きは気にならないのかと訊いても、気にならないとは言わないが、やはり読むのはダルイという。ちなみに同じ時期にアニメ化された異世界食堂も同様に原作を読むのはダルイと言う。

 なんだかんだ読書する息子達でも、スマホで読む際には、書籍とは別の反応を示す。だから、読んで感想が欲しい作品は印刷して読ませてる。そうすると文句も言わずに読むのだから不思議なものだ。


 WEB小説を読み慣れている読者はきっと、うちの息子達とは違う反応するのだろう。そうでなければ、人気作になっていないはずだ。


 私は書籍化など考えておらず、WEB上で読んで楽しいと感じて貰える作品の創作を目指してるから、やはり息子達の反応は気になる。


 WEB小説は、その小説の面白さを越えるストレスを与えるとブラバされる。続きを読んで貰うことは叶わなくなる。だから、読者層に若い方を想定しているなら、スマホで読みやすい文章と構成を考えなくてはならない。そうしないと、WEB小説に慣れていない読者の獲得は難しいのだろうと思っている。


 まぁ、作家さんには作家さんなりの拘りがあり、こうすべきなどということを言えるほど私にはデータも確信もない。書籍化を目指してる方は、ネットに置いてるのは倉庫替わりなどと割り切ってる方もいるしね。


 とにかく考えなければならないことは多い。そしていつかは想定する読者のニーズに応えられる作品を作りたいものだと、相変わらず文句が多い息子達を見ながら思う。

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