幻想と神域のマカナアイランド ―anotherstory‘s―
歌古夜
第1話 『憎悪の理由』
ギムズ・カラスティという一人の少年の話をしよう。
リリーナ王国は奴隷制のある大国の代表的な一例だ。
この国は貧富の差が激しく、差別の対象となるのは、人族か亜人族といった種族的な理由ではなくおもに貧乏な平民だ。
お金に困った家族が、一番下の末っ子を奴隷市場に売ったり、行く当てもなく物乞いして日々を飢えて生きるストリートチルドレンが人攫いに攫われたりして、奴隷というものは生まれる。
カラスティ家は『商業区』の最端にある陳腐な家柄だ。
家計は厳しく、〝親として苦渋の決断〟で両親は今年で五歳になるギムズを奴隷市場に売った。
親として、残された長男をどうにか守る為に導き出した残酷な答えがこれだった。
そしてギムズは市場に買い取られ、そして販売された。
間もなくしてギムズを買い取りたいと名乗り出たとある貴族が現れた。
もちろん、人としてではなく、奴隷としてだが。
こうしてギムズ少年は上級貴族たるガリーア家に宛がわされ――。
……すべては、ここから始まった。
彼が異常に貴族を憎むようになったのも。
彼を狂わしたのも。
彼に『連続殺人犯ギムズ・カラスティ』という異名を与えたのも。
彼の復讐は、ここから始まる――。
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