セカイシックにいきましょう
登月才媛(ノボリツキ サキ)
第1話 あなたにとっての世界ですが……
「”世界”っていったい何だと思いますか?」
「ふむ……私にとっての世界でしょうか。確かに今まで考えようとした記憶がありませんね……」
「いい機会です。意見を交わしましょう」
ティーカップを置いて、足を組みなおした。
「「世界」と言えば、大アルカナの二十一か二十二番目のカードでしたか?」
「ええ。意味に、「成功」や「旅」がありますね」
一人が本棚から本を抜き出して言った。
「「人生」を「旅」に例えた人物がいたのですがね、私は、「人生」は「本」だと思います」
「それは。なぜか聞いてもよろしいですか?」
「一人が、「人生」を書き綴る。これには量がありますし、薄い、厚いなど差がありますね。その本は、本棚にしまわれる」
本をもとの位置に仕舞った。
そして、そっと掌を本棚にあてがった。
「そして、その「本棚」こそ、「世界」。あるべきものがあるべき場所にある調和と完全さ……アルカナの意味にもちょうど合います」
部屋にほう、とため息が響く。
「その発想はありませんでした!そこまで深く考えていらっしゃるとは」
「私は語りましたよ?どうぞ、あなたもご意見をお聞かせ願いたい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます