ぼくは

のん

第1話 living dead





いつからだろうか、生きているのが億劫になった。






特別何があったわけでもない。ただ、変わらない毎日を死ぬまで繰り返していくのが突然面倒臭くなったのだ。



死んだように生きている、そんな言葉がお似合いだ。

そう独りごちながら、今日も怠惰にくるまって1日を浪費する。




元々、勉強は嫌いではなかった。やればやっただけ身について結果になるというのは悪くはなかったし、通っていた中学は過疎と少子化の影響をもろに受けて、20名が2クラスというなんとも情けない体だったので、そこそこ頑張れば毎回学年一位の座に居座り続けることができた。


先生方は当然のように、県内トップクラスの進学高校の受験を文字通り身に余る賞賛と共に差し出してきて、ぼくも当たり前のようにその高校を受験し、当たり前のように合格した。





こんなもんか、そう思った。



ぼくの価値って、こんなもんか。







高校では、よくも悪くもない、真ん中らへんをふわふわしていた。ときどき気まぐれに頑張ってみたりするとそこそこまでは上がるが、そのくらいだった。



部活は弓道と軽音部に入った。

どちらも適当で楽しく、適当で中途半端だった。




いてもいなくても一緒、ぼくはそんな人間だった。






つまらなかった。






大学受験、大学受験と事あるごとに口うるさく言われるようになる時期を迎えて、ぼくの意思は完全に消失した。


どこへ行ったのだろう。まぁ探す気もないけれど。




放課後講習、模試、面談、集中講習とみんながひたすら自分の道を進み続けている中、ぼくはその輪から外れて一人、ただそれを眺めていた。




どうでもよかった。




学校に行かないのにも頑張らないのにも意味などなかった。意味がほしいくらいだった。どうして自分がこんなにもからっぽなのか、教えてくれるものなら教えて欲しかった。




今日もまたひと粒、意味も分からない涙を流して眠る。







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