第229話 そこまで嫌うのか

 カタツムリに恨みでもあるのだろか?

『彼女さん』エスカルゴに対する偏見が凄い。

「ぞっとするよねぇ」

「カタツムリ嫌いなんだね」

「いや、カタツムリが嫌い以前に食べ物じゃないじゃん」

(…一応、エスカルゴは食い物なのだが…)

「ナマコみたいなもんだよ」

「だけど食べ物としてはおかしい、無人島で食べ物が無くなって、食べれるかどうか…」

(ギリギリの選択なんだな)

「最初に食べた人凄いよね」


 そう…何事にも先人が存在する、エスカルゴも最初に食ってみようと思った人は、よほど研究熱心だったのか、あるいは極限の空腹…事情は知らないが、とにかく『彼女さん』の言う事も理解できる。

 食べ物が無くて、初めて食えるのか?と考える生き物ではある。

 僕も食べたことがあるだけで、別にまた食べたいとは思ってない。

 美味いとは思わなかったということだ。

 皮ごと食えるバナナと同じだ。

「食えると美味いの間には大きな隔たりがあるのだ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る