第197話 見逃せねぇ

 安いコーラにハマっている。

 というか夏は安いコーラである。

 しかもカロリーもオフってる。

 ガバガバ飲むには丁度いい。


 冷蔵庫を開けると…

「ラス1か…」

 22:37

「行くか…」

 Mask良し‼

 Ecobag良し‼

 近くのドラッグストアでWheat.Tea…あっ麦茶と安い缶コーラをカゴに入れる。


「他にも…買いたいけど…エコバッグに入る分を考えると…ん?」

 トコトコとジュースの棚に戻る。

「30円」

 トコトコとストッカーへ移動する。

「27円」

 ダメじゃん…3円違うやん…。

「えっ…冷やすと安くなるの? いやいや逆だろ…えっ? バーコードは………同じじゃねぇか…当たり前か」

 そこで考えたのだ。

「店員に言うべきか否か…正直3円の差など、どうでもいい…が…凄い言いたい‼」

 大人げないか?

 パイパンだけに? そっちの毛は関係ねぇ…えっ? どうするコレ。

 言ったら…どんどけ貧乏なんだよって思われる、いや貧乏だけど…。

 言わないと…きっと流せるようになるまでは、相当のイベントで上書きしないと気にし続けるぞコレ。

 結局、近くで品出ししていた店員さんに聞いてみた。

「すいません…あの…このコーラ、冷蔵庫と棚で…」

「値段が違いましたか?」

 食い気味で返された。

(えぇ~確信犯かよって感じで返してきたよ)

「えぇ…まぁ…いや、どうでもいいんですけど…気になったもので」

「すいません、確認してまいります」

「えっ? いや別に…」

「お待ちください」

「はい」


 もう帰りたいのだが…

 言いたいこと言ったので会計して帰りたい。

 3円でクレーマーになってしまった…

 店内放送が入る。

「○○さん、何々売り場まで…」

(そんな真剣に確認しなくても、レジでピッとして30円でした、すいませんでいいのに…)

 待つ間、意味もなく高額の化粧水とかを手に取ってみたりする。

 そう…いや、これくらいの物、買ってもいいんだよアピールである。

 誰に対してかは謎である。


 待つこと15分ほど…(長ぇよ…)


「お客様、大変お待たせしました」

「はい」

「30円です、値上げしたんですけど、そのままにしてしまいました」

「そうですか…別にいいんですけど」


 僕は待たされた挙句に30円だったわけだ。


 言動にはリスクが伴うのである。

 それが正しいとしてもだ。

 そして…思ったほどスッキリしてない僕がいる。


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