第148話 化石?

『通』から電話があった。

 面倒くさかったので、でなかった。

 どうせイライラするだけだから…


「用事ならメール入れといて」

 とだけメールを入れた。

『通』はガラケーだ。

 そしてLINEはしない。

「俺の情報が漏れたら大変だ」

 それが理由だ。


 すぐに返信があった。

『有事無し安心安全でお願いします』

 何言ってんだろう?

 有事無し…何も無いってこと?

 安心安全でお願いします?…誰に何を頼んでいるの?

 →『何言ってるの? 就職決まったの?』

 とりあえずバカがヒマで何か言い出したのだ。


『当然私は誠実真面目しか取り柄が無いから』

 誠実真面目?誰が?

 …しか取り柄が無い?

 何の取り得もないだろう…何かあったのか?

 だから無職でいいってか?


 履歴書に学歴、資格なし。

 職務経歴書に書けるほどの職歴も経歴もない。


 →『現実を見ろ』

 それしか言えることはない。


 あまりに無様だ…。


『オマエはバカか!!…』

 怒りだして、くどくどと誤字脱字のメールが届く。

 →『日本語を書けるようになったら連絡ください』


『話にならん』

 続けて届いたメール。

『化石かな』


 何が言いたいんだ…

 化石ってなんだ?


 暑苦しい夜、イライラするので、返信を止めた。

 痴ほう症なのかな…

 会話ができない 唐突に『有事無し…』とか。

 突然怒る。

 そして、また『化石かな』


 完全に痴ほう症だろ。

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