第132話 血尿

 3週間前から深夜に背中が痛み出した…

 翌日、血尿がでた…

 1週間前にも背中が痛かった…


 今朝、血尿がでた…

「そうだ…医者に行こう…」


 派遣先の会社に連絡を入れて1日休ませてもらった。


 以前に世話になった泌尿器科…閉院していた。

 大病院に行くことにした。


 症状を話すと

「うん…石だね、間違いないと思うけど…CTとエコーで確認します」

(あぁ…お金が掛かるな~)

「採血と尿検査するので」


 尿は茶色であった…僕が見ても解る血が混じってる。

 年配の看護師が採血をする。

 失敗する。

「血管が解らないわ…」

 2度刺された。


 CTを終え…エコーを終え、先生の所に戻る。

「う~ん…石が確認できないな~…小さいのかもしれないな~腎臓じゃないかも…膀胱かな…尿検査では血が混じってるから石で間違いないと思うけど、もし時間あれば、もう一度CTとる?」

 良い機会なのでお願いした。

(CT2回か…金、相当かかるな)


「じゃあ、これにサインお願いします」

 と同意書を差し出してきた。

 10万人に1人くらい死亡します…マジで?

『万が一の場合、全力で対応しますので、ご安心ください』

 何に安心しろと?

 何でも、より鮮明に影を投影する薬を打つらしい。


 サインして待つこと30分

「じゃあ…注射しますから右手を出してください」

 右手の甲に痛みが走る

 痛いですよとは聞かされたが…割と痛い…。

「あ~失敗した…私、下手くそさんだから…内科の先生呼んでくるわ」

(ババアーーー!!)

 左手に再度、注射された…さっきよりは痛くなかった。


「ハイ、じゃあ撮りますよー」

 何往復かして…

「じゃあ薬入れます」

(まだ入ってないの?)

 よく見れば、太い点滴みたいな注射器に繋がれた管…怖いよ…。

「薬入ると、身体が熱くなりますから」

(マジで怖いよ…)


 確かにカーッと身体が熱くなった。

 またCTの輪っかを潜る…

「クシュン!!」

 思わずクシャミがでた。

「あっ!! 桜雪さん、どうしました?」

「クシャミしてしまいました…やり直しですか?」

「いえ大丈夫ですけど…アレルギーじゃないですよね?気分悪くないですか?」

 若干、室内がザワつく…

「違うと思いますけど…ただ鼻がムズムズしただけだと…」


 再び先生のところへ…

「うん…コレが石かな~と思います、まだ小さいから動くと痛むんでしょう、お薬出しておきますから大丈夫ですよ」


 CT2回、エコー1回 13,550円

 御薬代 1,070円

 財布の中身27円…(死にたい…)


 行く前より気分が落ちた…。

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