第125話 そうだろうね…そりゃ間違いないよ
「和風ラーメンってどういうこと?」
『通』がラーメン屋で首を傾げた。
「こんぶ出汁とかでスープ仕込んだとかじゃないの?」
「ラーメンってさ…中華じゃねぇじゃん」
「まぁ…中国の麺とは違うね」
「だろ、オマエ、サラリーマンのとき中国行ってたじゃん、ラーメン違うだろ?」
「うん…まぁね」
「ラーメンって日本食だと思うんだよ、和風ってさ~」
「なんでもいいから頼めよ、面倒くせエ」
「おう、じゃあ………和風ラーメン」
(ソレ頼むんかい!!)
食べ始めると
「う~ん…」
「う~ん…」
と箸が進まない『通』
「日本食ってさ、奥が深いと思うんだよな」
「各国の料理は、どこも歴史が深いんじゃないの?」
「特に日本は!!」
「歴史は深いよね…確かに、アメリカに比べりゃね」
「だよな、ハンバーガー、ステーキ、料理じゃないねアレ」
「俺、好きだけどね」
基本『通』は、フレンチ食べない、イタリアン食べない、要はナイフとフォークを使えないのだ、もちろん箸も使えない。
『通』の外食はカレー、ラーメン、牛丼が基本だ。要するにチェーン店ベースの食事が味覚のベースとなっている。
「思うんだよ!! 和食の基本は『和食』だと思うんだよ!!」
真顔で何言ってんだか…
和食の基本は和食? そりゃそうだろう…和食の基本がフレンチにあったら歴史が変わるだろうさバカ…。
「食えよいいからさ」
「おう」
おそらく『食』の基本は『和食』とか言いたかったんだと思う。
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