第119話 なぜに料亭?

 料亭にやってきた。

「一度来てみたかったの」

 彼女さん、お財布に優しくない店を予約してくれた。

(まぁ1ヶ月以上逢ってなかったし…いいか)


 本日の献立

 前菜  旬菜盛り合わせ

 椀物  鯨汁

 寿司  盛り合わせ

 焼き物 新潟和牛A5内ももステーキ

 揚物  稚アユ天ぷら

 蒸し物 地物アマダイの蒸し物

 酢の物 出雲崎産岩もずく・胡瓜

 食事  蕎麦

 水菓子 自家製トマト寒天


(あぁ~コレ高いね…)


 彼女さん

 旬菜盛り合わせ 枝豆だけ食べた。「枝豆久しぶりに食べた~」

 寿司 酢飯をひとつまみ食べた。「生魚は食べられない」

 焼き物 まさかの肉をティッシュに包んで油を吸い取らせてから2切れ食べた「美味しいよ」

 揚物 一切食べなかった。

 蒸し物 「美味しい」

 酢の物 胡瓜は食べた。「酸っぱい」

 食事 蕎麦は好き。「でもしょっぱすぎかも…」

 水菓子 「トマトは食べられないよ」


「どうして料亭に?」

「一度来てみたかった」

「魚、ほとんど食べれないのに?」

「うん、煮たのと焼いたのは食べるよ、生はちょっと」

「だからなぜ料亭を?大概、生魚メインだと思うけど…」

「こういう所で食べてみたかった」

「ほぼ、食べれないのに?」

「………」


「あのさ、また冬に来たいね、寿司食べ比べてみたいよ」

「寿司?食べてないのに?」

「………」


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