第114話 サメをなんだと?

『通』と『同僚』、3人で食事に行くことになった。

 実に久しぶりの組み合わせだ。


「クジラって捕獲量減ってるの?」

『通』が私に尋ねた。

「さぁね、海の猟犬がうるさいから、大っぴらに獲れないんじゃないの、結構増えてきてると聞いたことがあるけどね、俺、大和煮とか好きだよ」

「あ~、そうか・・・残念なことだな桜雪、もう食えないってことだ」

「昨日食ったがね」

「魚食えよ、マグロ刺身美味いよ」

「いいよ、哺乳類のほうが好きなんだ」

「哺乳類…クジラ好きなんだろ?」

「好きだよ、哺乳類だからってわけじゃないけどな…食ったらイルカも美味いんじゃないかな」

「イルカ…クジラって魚じゃないの?」

「クジラは哺乳類だ…知らなかったのか?イルカも哺乳類だ」

「知ってたよ…いやホント…」

(ウソつけ…)

「ちなみにマグロは魚類だ」

「魚だよな…」

 マジマジと切り身を見ている『通』

 とりあえず『通』に聞いてみた。

「オマエ…サメってさぁ、どっちだか解るか?」

「おう……哺乳…」

「魚類だ」

「おう…泳ぐからな魚だ」


(泳ぐだけならクジラもイルカも泳ぐわな~)


 黙々とメシを食う『同僚』揚げ物ばっか食う…だからお前等、禿げるんだよ…。

「おい『通』…海藻サラダばっか食っても手遅れだ…海藻は艶にしか効果は無いそうだ生えないぞ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る