第66話 アレやりたいねんけど
連絡会の最中…
「桜雪くん、ちょっと、ちょっと、Y取締役が、突然、自分も参加するって言いだして…悪いけど対応頼むね」
「え~」
「いや~ワシも気になりましてん」
20分もしないうちに飽きだしたY取締役。
「桜雪くん、アレやりたいねんけど…」
「アレですか?ダメです…取締役がやることではありません」
「ええやん…頼むわ、代わるように言ってくれへん」
アレとは…時間になるとチンッと鳴らすベル係り。
取引先の発表時間の終了5分前と終了を知らせるベル係り。
「15分経ったらチンしたらええんやろ、その後5分でチンチンやな了解や」
5件くらいで飽きたようだ。
「桜雪くん悪いけど、タイマー見ていてくれへん」
「桜雪くん…代わってくれへん?」
休憩時間が過ぎて席に戻ると…Y取締役逃げた。
僕は淡々とベル係りを続けたのである。
出張報告書…どう書こうか、それだけを考えながら、チンッを鳴らしていたのである。
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