僕とキミの13フェイズ
@kuronekoya
フェイズ1 日常
親譲りのコミュ障で子供の時から損ばかりしている。
中学校に居る時分学校の二階から飛び降りて1年間程学校を休んだ事がある。
なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかもしれぬ。
別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、いじめグループの一人が冗談に、いくら死にたいって云っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫や-い。と
救急車で病院に運ばれた後、担任が大きな眼をして二階から飛び降りて教育委員会から苦情が来たらどうするんだと云ったから、この次は生き残らずに死んで見せますと答えた。
以来学校には行っていない。
母は泣いたが、父はあっさりと僕の選択を支持してくれた。あまつさえパソコン一式さえ買ってくれた。
学校とどう話がついたのかは知らないが、出席日数には目をつぶり卒業できることになった。
学習塾の動画サイトなどで勉強を続けて、通信制でいいから高校は卒業すること、それがひきこもりを許す両親からの条件だった。
図書館と近所のコンビニ、たまに本屋に行く以外は、自室で小説や漫画を読み漁る日々。
当然本代だけでも小遣いでは足りなくなるから、ウェブ小説やコミックの投稿サイトにも手を出すようになる。
自ずと自分でも投稿してみたくなった。
お金はないから鉛筆でラフスケッチのような絵を描いたり、フリーの画像編集ソフトで絵を描いて。
テキストエディタで小説のようなものを書いてみて。
明らかに下手だった。
イラストも、小説も。
とても人に見せられるような出来ではなかったから、日々ため息混じりに誰も読まないブログに愚痴を垂れ流しながら、絵を描き、短編小説や詩を書いた。
本を読んだらその感想はブログにアップした。
勉強の合間に、絵の描き方の動画や小説の書き方の指南サイトを見て。
絵や小説は、いくらかマシなものが出来たと思ったらブログに上げた。
絵を描いていると知って、誕生日に両親がペンタブを買ってくれた。
誰が気に入ってくれたのか知らないが、絵をアップするとアクセスが増えるようになった。
コメントを書き残してくれる人がいたり、同じように絵を描いている自サイトからトラックバックしてくれる人も現れるようになった。
だんだんとブログから愚痴は減り、イラストと詩が増えていって。
小説は諦めた。
よく忌憚のないコメントをくれるDBさんという人から、投稿サイトにもイラストを載せてみたら? と提案された。
ムリムリムリムリ〜、と返信したけど、次の投稿をした時にまた言われたり。
なんどか繰り返しているうちに、誘われた。
リアルでは知らない人同士で、そのサイト上でサークルのような活動をしているのだと。
そして、僕も一緒にやらないか? と。
リアルには一切干渉しないから、と。
キミの絵が好きなんだ、と。
不思議な透明感がある、と。
詩も好きだけどね、と。
思い切って、ずっと見るばかりだったイラスト投稿サイトに自分の絵を投稿したのは、学校に行っていたなら中3の冬のことだった。
思ってもみなかったくらいの応援やブックマークがついた。
自分の居場所を見つけた気がした。
そして春、一通のメールが届いた。
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