『化物』
ハルノリ
プロローグ
世の中は理不尽だ。
そう僕が思ったのは物心がついた時だった。
仲の悪い両親。
今にも殴り合いでも始めるのかと思うほど空気が悪く、顔を合わせれば怒鳴り散らし、物に当たる。
何処の家もこんなものだと思っていた。
でも、友達の家は何処も暖かく、僕とは違っていた。
そして、ついに父親が母親を殴った。
それを止めようとした僕も殴られた。
それで離婚。
僕は、父親の祖父母に引き取られた。
理由は、両親が僕を引き取ることを拒否したからだ。
祖父や祖母はとても優しく、とても暖かい家庭だった。
なんでこんな優しい人たちからあんな父親が生まれたのか未だに疑問だ。
祖父母の家に引き取られ、多分5、6歳くらいだった。
祖父母が殺された。
当時のことはあまり覚えていないが、祖父母は殺された。
しかし、その事件は警察が調べたところ『自殺』ということになった。
確かに祖父母が殺されたのだ。なのに、殺された形跡が無い。
そんな不可思議な事件。
見たのだ。
確かに、僕は見た。
『化物』を。
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