旬刻限

 運命の原理は、因即ち種と縁即ち土地とが結ばれて果になっていく事は明らかですが、もうひとつの重大要素は、目に見えない時旬です。この時旬の事を「旬刻限しゅんこくげん」と言います。

 旬と言うのは一ヶ月の上旬中旬下旬とあるように約何日と時を区切った日数を言うのです。


 およそ百姓が種を蒔く時期と言うのは最適当な時が10日間ありまして、これに遅れたら収穫は激変します。一ヶ月も遅れたら芽を出し、葉まではつきますが、花も咲かず、実も結びません。


 刻限と言うのは何分何秒のようにごく短い時刻を言います。この時期に外れたら最良の時は再び来ないと言うものです。


 例えて言うならば、親の危篤の電報を見て東京に行こうと駅に来てみたら1分の遅れで乗れなかった為、時間が遅れて到着した時にはもう死んでいたと言う様な事を言うのです。


「時は金なり」と昔から言われています。そして「時は神様だ」とも言うのです。


 金の証文を書く時は必ず借りた月日と支払う月日を書きます。「月」、「日」は神様の御名です。書類に月日を記入すると言う事は天地神明に誓いを立てた事になるのです。


 その月日に狂いなく支払いをする人を信用ある人と言って、再び貸し借りが出来るのです。月日を粗末にして常に狂わせている人は、人の信用を失うばかりでなく神様の信用も失って貧乏していきます。

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