7/9 フライドポテト
これは私だけかもしれないが、三ヶ月に一度ぐらいの間隔で無性にフライドポテトが食べたくなる。
ポテトチップスやハッシュドポテトではなく、フライドポテトが食べたくなる。
一口にフライドポテトと言ってもいくつか種類があるのだが、無性に食べたくなるフライドポテトはシューストリングポテトという種類のフライドポテトである。
シューストリングは靴紐という意味であり、靴紐ほどの幅の厚さに切って揚げた細長いフライドポテトの事をシューストリングポテトと呼ぶ。
急に靴紐の大きさと言われてもピンと来ないかもしれないが、拍子切りと呼べば直ぐに分かる者も居るだろう。
かの有名なハンバーガーチェーン店のフライドポテトがこの形のため、この国でフライドポテトと言えば殆どの人間がシューストリングポテトの事を思い浮かべるはずだ。
しかし、個人的にはシューストリングポテトよりもナチュラルカットポテトと呼ばれるフライドポテトが好みであり、これに粗挽きの胡椒をかけて食べるのが好きだ。粒マスタードでも良い。
ナチュラルカットとは皮付きのまま櫛型に切る事であり、シューストリングと違って程よい厚さがある。そのため、揚がった部分のカリカリと、中のホクホクの両方を味わう事が出来る。
皮の苦い部分も味に緩急が付いて良い刺激になるので、飽きが来ないフライドポテトとして人気だ。
では、何故ナチュラルカットポテトではなくシューストリングのフライドポテトが食べたくなるのかと言うと、それは私にも分からない。
ナチュラルカットポテトは冷めるとカリカリ感が無くなり、袋に入れたままだと熱気を吸ってシナシナになってしまう。
本来ならばそれは忌避すべき事なのだが、無性にフライドポテトが食べたくなった時はそれを許すどころか逆にその状態のフライドポテトも食べたくなるのだ。
この謎はきちんとした機関に調査を依頼する必要があるのかもしれない。
もしも私だけでなく、他の者も急にフライドポテトが食べたくなるのだとしたら……
何らかの方法で、他者に無性にフライドポテトを食べたくさせる方法があるとしたら………
この世界の何処かに、シューストリングポテトに適したじゃが芋が売れる事で利益を得る者達が居るはずだ。
彼等を突き止め、詳しく話を聞かなくては。
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