第八節

 カラカルの手術が終わって翌日。

 カラカルは未だ目を覚ます気配はない。


 研究員達も慌ただしく動いた。

 だが、五名のみで行うには無謀すぎる為に、サーバルやレイコとセシルを軸に多くのフレンズ達の力を借りる事となった。


「……、」

 そしてコクトも、現在外で一人捜索していた。

 彼が来ていたのは事件現場。

 サーバルの証言を思い返しながら、その場所と状況を隅々に確認していたのだ。


 ふと。

 コクトは地面に目を移す。

 それは、崖の天辺から下を眺められる場所であり、崖から下においては数十メートルを誇る高さだった。崖から地面へは、斜度約五〇から六〇と言ったところだろうか。その先は木々に覆われて地面が見えない。

「……、」


 コクトは崖の先に足を伸ばす。

 ゆっくりと足を付けると、スノーボードの如くゆっくりと崖をズリ落ちていった。


「やはりここか」

 滑りながら崖の表面を見ていくと、既に堅くなった赤黒い何かが散らばっていた。予測はしていたが、これらがカラカルの血痕であるという事は見て解る。


 標高の高い部分では未だ点々としては居るが、徐々に血痕の大きさは大きくなっていく。

 だが、木々が生い茂げ始めた場所からは、彷彿と血痕が少なくなっていた。

 滑り降りていたコクトはすぐに斜面途中で停止すると、直線上にあった木を確認する。木には血痕が確かに付いていた。

(なるほど、ここから転落した事は間違いないらしい。ただ丁度この位置でカラカルの体は跳ね木のクッションによってそれ以上の重傷を負わずに済んだのか)

「本当に、不幸中の幸いって奴だな」

 小さく溜息を吐き捨てるコクト。

 だが、気は休まらない。

(問題は、カラカルがここに落ちた時にその怪物が追ってきたかどうかだ。だがまぁ、どうやら追ってきてはいないらしいな。木々もかき分けられた様子もない。外回りするにもここまでは時間が掛かりすぎる……)

「……、」

 コクトは、じっくりと観察する。

 此所に来て一年。

 研究者達が、無知である事の恐怖を知っている。だからこそ、彼は状況を事細かに把握するのだ。


(事件から既に一六時間は過ぎている。もう敵は此所には居ないのか? ……それに妙だ。今までフレンズがフレンズに襲われると言う事はなかった。それに、サーバルの証言からしても明らかに生物の枠を逸脱した姿なのだろう)

 深まる思考。

 未知との遭遇とは本当によく言ったものである。

 それも、フレンズが飽くまで人型であったからまだしも、今回は異なる。


 そしてそれは、今までの蓄積してきた知識が通用しない相手だからこそだ。


「とりあえず、最優先事項は発見だな」


 コクトは、言葉を吐き捨てると崖の上まで戻り、崖から遠のきまた森の中に探索に戻った。

 鬱蒼とした森の中は、その静けさからか嫌な空気を漂わせている。


 ……否。

 その空気は本物だった。

「……っ!?」

 不意にコクトはある一点を見つめる。

 木々ならぶ暗闇の中、その奥を睨み付ける。


 一瞬の静寂。

 その直後、遠くから乱立する木々のがいともたやすく折れる音を耳にした。

 バギッ!! バギギッ!! バギバギバギバギッッ!!

 音は接近してくる。

 阻む者全てを壊さんと言うようにして、侵略してくるような何か。


 そして。

 正体を現した。


 一回りも二回りも大きい、水色の球体をした生物が……。


「……ッッッ!!」

 勢いよく走ってでも来たのか、コクトはその射線上からすぐ飛び抜く。

 脇を走り抜くような勢いで動く巨大な生物を、コクトは横目に見た。

(水色の球体に、四本の触手……先には牙の付いたような口。間違いない、コイツか!!)


 バギバギバギバギバギッッッ!!!

 木々を容赦なく折り進みながら、その化け物は急転換するように此方へと向き直った。

 横に飛び退いたコクトも直ぐさま体勢を直す。


「なるほど、確かに化け物だ。巨大な球体にまるで眼球かのように存在する一つ目。……触手の先には牙と来た……こりゃ、本当に未知との遭遇をしてしまったっぽいな」

 軽口を叩くように言葉を吐き出したが、頬には汗がタラリッと流れる。木々を折りながら進んできたからには、その力も凄まじいのだと、木の残骸から見て取れた。


 だが、そんな考える時間を相手が与える訳がなかった。

 一本の牙を此方に向けて伸ばしてきたのだ。

「くそっ!」

 コクトは横に走り出した。

 化け物を注視しながら、目線から外れるかのようにして対象の周りを走り出したのだ。


 バギィィッ!!

 牙の伸びた先の木は、容赦なくへし折られた。

(アレに捕まるのはマズい……とりあえず、コイツの情報を少しでも持ち帰らなくては……ッッ!!)

 既に彼に向かって残り三本の触手が襲ってきていた。

「くッ!!」

 一本を飛び退き、二本目でまた走り出す。三本目は後を追うように伸びてきていた。

 彼の走る速度よりも早い触手が、今か今かと襲い来る。

 そして、彼の胴体に射程を納める距離になると、一気にガブリッ!!


 ――ガギィィンッッ!!


 寸での所で、彼が振り回したものと衝突した。

 彼の右手にはサバイバルナイフが握られていた。

(持ってきていて良かった、護身用ナイフ……だが)

 弾き返された牙は、またも彼を追いかける。

 彼は体勢を膝から落ちるようにして崩し、顔の横ギリギリでその牙を避けた。

 避けるとすぐに距離を置くようにして飛び退いた。

「……、」

 先程まで横目で見ていた化け物が、此方へ標的を定めていた。


(ナイフ一本じゃ心許ないな……ただ、標的を狙うにもやはり視覚を使う。ナイフを弾いたあの牙も、並の耐久ではない……本体も同じように堅いのであれば、倒すのは難だ)

 攻撃一つ一つが十分に厄介だった。

 だが、コクトにとってはその行いで十分に観察できる。

(せめてもう少しだ。弱点だけでも無いか調べる必要がある……なら)


 ナイフを逆手持ちに変える。半歩分片足を引き、出撃の構えを取る。

「……こっちだ!!」

 不意にコクトは、化け物へでは無く、先程までいた開けた崖目掛けて走り出した。

(殺り合うなら此所より彼所の方が良い!)

 無論、化け物も追いかけ始める。

 化け物の直線上に立っている木々はバギバギッと容赦なく折られ、目的まっしぐらに進んでいた。

 コクトもこれを見逃さない。

 化け物からは目を離さず、逃げ出しながらも以前距離を保ちながら観察していた。



 木々の中からコクトの体が飛び出す。

 開けた崖に出ると、真ん中辺りに立ち構え待つ。


 バギバギィィィッ!!

 化け物は容赦なく木々を押し退けてコクトを視認する。

 開けた場所にその球体の体が出ると、そこで止まった。

「……ッ!?」

 コクトは動けなかった。

 先程までに一心不乱で獲物を追うソイツが、突然動きを止めたのだ。

(追う事を止めた? いや、何かしてくるかも知れない……)

 構えを取り直す。

 またもや睨み合いが、彼等の間で一寸起きた。


 瞬間。


 ボゴォッッ!!

 地面が盛り上がり、土の中から牙が現れたのだ。

「なっ?!」

 不意に片腕を使って、攻撃を受け止めるコクト。

 齧り付いて来た牙は、容赦なくコクトの腕に喰らいついた。


 グシャバギバギバギバギィィィッッ!!!!

 たった一噛みで、肉を貫き骨まで達する。骨に至ったその牙は、骨をも噛み砕こうとするかのように喰らいついてきている。

「ッッッ!!」

 血が噴き出し、肉が裂ける。どうやら地面の中を伝ってきたらしいその触手が、地面から迫り上がり姿を現した。

 化け物から伸びた牙による強力な顎の力が、コクトの腕を粉砕しようとしているのだ。


(マズい!!)

 すぐに片方の腕にナイフを変えると、ガンッ! と牙を持つ口に攻撃する。

 しかし堅すぎてビクともしない。


 化け物はと言えば、ジリジリと此方に近づいて来ていた。他三本の触手から伸びた牙は、頃合いを伺うかのように此方に向いたまま威嚇のように口を開けている。

 口から見える牙一つ一つが、肉を裂き骨を砕くかと考えると、おぞましく思えて仕方が無い。


「……チッ!」

 口に傷一つ付かないと解ると、コクトは直ぐさま口と触手の連結部に向かってナイフを切りつける。

 だが。


 スルリッ!

 まるで何かの液体を通り抜けたかのように、それはヌルッと刃をすり抜けたのだ。しかも切れている様子にも見えない。

(牙以外は殆ど液体って事なのか! それも切れない上に障害物を挟んでも動きは衰えない。次元でも違うのかよコンニャロー……)


 刃は通じず、何時他の牙が襲い来るかも解らない。更には徐々に迫ってくる化け物。なれば、彼に残された策は一つだった。

「……ああ、だったらやるよ、この腕。片腕一本くらいくれてやる」

 グググッ! と。

 コクトの体に再び力が入る。

 化け物とは逆側に体を傾けているのだ。


 無論、そんな事をすればどうなるかなど解った上で、だ。


「ここで腕一本捨てられないなら、カラカルも、サーバルの涙も、拭えねぇんだよ。アイツらが明日、お前に恐怖して生きていかなくちゃ行けないのは御免なんだよ。だからくれてやる。腕一本でテメェを殺せるチャンスがあるんだったら、一本ぐらいいつでも捨ててやらァァァァァァァァァァッッ!!!!」

 グシャァァァッッ!!

 力任せに引き抜かれた腕は、その牙によって肉を引き裂かれ、中身が露わになるほどの抉り傷を見せる。血は吹き出し、ボロボロの腕はダラリッと力なくぶら下がった。


「……ッ!」

 痛がっている暇は無い。

 もう片方の腕に逆手で持ったナイフを、化け物にまで近づいてその球体を掠める。


 サッ!!

 球体を掠めた刃だったが、感触は水のそれと同じだった。

 だが、その勢いで化け物の横を通り抜けたコクトは、その事に驚く事無く冷静に見続ける。


(やはりあの球体と触手は液体を空間に維持して固定化されたものだと思って良い。唯一牙が堅いとなると、体の細部を硬化させるって考えても不思議では無い。それも考慮に入れると、化け物の一部を掠めても硬化しなかった。それが無くとも、避ける気配も無い。態々視界の端通ったのに避けないって事は……其処が弱点では無い可能性が高い)

 飛び退いた先で体勢を戻す。

 今度は前傾的な構えを取り、避ける為と言うより突撃を仕掛けるような状態だった。

「……腕一本くれてやったんだ。アイツらの土産に弱点ぐらい見せてけよ……ッ!!」


 化け物が此方へ向き直ろうと振り返ろうとした瞬間、コクトは奇妙な物をその眼に移した。 それは、球体の頂点よりやや後ろ気味についた、ある輝かしい一角。

 それはまるで鉱石の固体がそのまま付いたようにして存在していたのだ。

(……一か八かか)

 化け物が振り返り終わる前。


 ダンッ!!

 コクトは地面を蹴り走り出す。

 避ける気のないその前傾的な姿勢の走りは、化け物が反応する暇を与えない為の最速の走りだった。


 ダッッ!!

 地面を蹴り飛び上がる。

 逆手に持ったナイフを振りかざして、その鉱石を目掛けて思い切り横薙ぎに振るった。


 ガンッ!!

 鈍い音が響く。

「……ッッ!?」


 その鉱石には傷一つ無い。

 それどころか、それを守るように球体の周囲がフィルターのように囲み、硬化して防いでいたのだ。

(獲れなかったか……だが、守ったな)

 撃退は出来ずとも、その事実だけで十分だった。


 ――この化け物には、弱点がある。


 だが、空中に投げ出された体を目掛けて、牙が襲いかかる。

「……ッ!!」


 ガンッ!! ガガガンッ!!


 コクトは体を回し、ナイフで牙を弾き落とす。

 だが、それは彼の危険を排除するには未だ足らなかったのだ。


 本当の牙は、自然だったのだ。


 コクトの身は、全力のジャンプと速度により高く飛び、更には牙を弾いた事によって浮遊は続いた。


 その結果、その先にある崖に向かって体は投げ出されていたのだ。


(……だがまあ良い。アイツはカラカルを襲った時も追ってこなかった。サーバルが背負ってもだ。だったら十分だ)

 彼の体が急降下を始めようとしている事には変わりない。そのまま行けば数十メートル先の地面に叩きつけられるだろう。

 それでも、彼は自身の怪我よりこの情報を持ち帰る事を最優先に選んだのだ。


(くそ痛いだろうなぁ……)

 コクトの体は崖の先で急降下を始めようとしていた。

 勢いを増したその体に、一体どれだけの負荷が掛かるのだろうか。

 そんな事など考えず、彼は今も尚この瞬間にあの化け物に対する策を頭に巡らせていたのだ。


 刹那。

「………………ッ……ッ!」

 何かが耳に入る。

 遠くから何かが来ている。

(クソッ! あの化け物か……ッ!?)

 体を空中で立て直そうと、無理矢理に動かそうとするコクト。だが、腕に入ったダメージが一気に全身を巡り、そのショックで動けなくなる。

(マズい!)


 迫り来るそれ。

 だが、彼は不意に違和感を覚えた。

 それが迫ってくるのは解る。

 だが、余りにも方向と距離が違うのだ。

(違う? なんだ? もっと遠く!!)


 眼にせずとも、耳で理解した。

 何せそれは、いつだって最初に現れるのだ。


「みゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃぁぁぁぁぁっっ!!!!」

 それは、サーバルだった。

 彼女は真逆の崖走りをしてコクトの元まで走って来ているのだ。

「みゃぁぁぁっっっ!!!!」

 ダンッ!!

 斜面を蹴り、空中高く飛び跳ねる。

 コクトの浮遊した体に、めいいっぱい手を伸ばした。

「とどけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!!!!!」


 ガシィッ!!

 彼女はコクトの服を片手で掴む。

 そして彼の体を一気に引き寄せると、コクトを抱えて着地に移った。


 その生態上と、既に何メートルか降下していた御蔭もあってか、難なくコクトを抱えてサーバルは着地に成功する。


 因みに抱えられたコクトだが、お姫様抱っこだった。


「良かったぁ……間に合ったぁ……」

「真逆お前が来るとはな」

「コクトさんも無茶しすぎだよ!!」

「悪い悪い。で、どうだ、奴は?」

 サーバルは崖の上に向き直る。

 其処からは化け物が見下ろしていたが、追う事が不可能と解るとその場から立ち去っていった。

「ふぅ、何とかなったね……」

「そうだな」

 コクト、お姫様抱っこに恥じない。

 そう言う事に無関心なのか、羞恥が無いのか、気がついた時には自然にサーバルから降りていた。


「とりあえず、一端研究所にみんなを集めるか」

「そうだね……って、コクトさん!! 手! 手!」

「ん? あ……」

 夢中で忘れてはいたが、現在コクトは重症に次ぐ重症だった。

 腕は中から肉を見せ、血がドロドロと流れ落ちている。

「ヒ、ヒィィィィィィィ!!」

 サーバルは驚きながらコクトと距離を取った。

「何で動物が肉を怖がるんだよ……」

「え、いや、でも、でもぉ……!!」

 半ば涙目のまま怯えながらコクトを見つめるサーバル。

 どうやら急な事に大きく動揺してしまったらしい。動物としての本能よりも、ある種の未知の発見に腰を抜かしたのだろうか、地面にヘタリ込んでいる。

「大丈夫だって、腕だけなら何とかなる」

「そうじゃなくて!!」

「そこに居ちゃオチオチ話もできんし、そろそろ帰るぞ~」

「う、うぅ……」

 サーバルは恐る恐る、コクトに近づいてくる。

 コクトも流石にと思い反対側にサーバルを位置させた。


「……食べるなよ?」

「食べないよ!!」

「なら良いけど」

「もう、ホントに私をなんだと思ってるの?」

「ああ、いや悪い悪い」

「ふんっ! もう先帰ってるもんね!」

 サーバルは、コクトの前を行くように数歩先を歩く。

 ふざけてはいたが、サーバルなりに心配をしているのだろうか、先に帰ると言うよりも、数歩先を歩いているだけだった。


(本当は、血や肉を見て、獣としての本能が疼くと思っていた。だから最後まで助けを呼ぶ事をしなかった)

 研究が完璧とは行かない。

 どんな傾向があっても、懸念はいつだって残るし、最悪の事態を防ぐ為に最善を尽くす。

 だから、彼女たちフレンズの前では血や肉など刺激しそうな物は一切見せなかった。


(……だが、サーバル。違うんだな)

 彼女が、フレンズが、人になった意味は、もっと別の所にあったのかも知れない。

 それは、数式や一と〇では測れない、特殊なもの。


(お前達は、獣であっても、友と生きる事を、仲間と歩む事を選んだのだな。傷つけ、傷つき合う事が弱肉強食の世界でのルールであっても、それよりも、自分の心を選んだのだな)

 それは、まるで人だった。

 彼女たちは、選んだのかも知れない。

 弱肉強食というルールで定められた、残酷であっても当たり前の世界より、一のように、何の隔たりも無く笑い、生き、歩めるように、と。

(お前達は、獣では無い。唯それは別種などと言う都合で付ける言葉では無い。俺たちは本当に間違っていたのかも知れない)


 カラカルを手術した時も、

 サーバルの「心配した」と言う一言も、

 彼女が浮かべた涙も、

 多くのフレンズが笑顔を浮かべていたあの瞬間も、


 すべて、獣であったからでは無く、フレンズだったから。

 そして、

(俺たちは、お前達を人と同じように見るべきなのだろうな。共に歩く、一人の友として……)


 誰にだって思いがあり、誰にだって願いはある。

 だからこそ、コクトは知った。


 ここで、何をすべきか、を。

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