第1655話「クレイジー」
午後五時の横断歩道。
ショットガン女子高生の死体が現れた。
殺人タクシーはたぬき(一般人が想定する道路で事故に遭っている動物の代表格を指す言葉。仲間の死に場所をお参りする特徴があり、同じ場所で連続して死亡するケースが多い)よりもずっと多くの人を轢いていたが、女子高生は初めてだった。ショットガン女子高生は曲がり角の先の横断歩道に横たわっていたのだ。回避もままならず、轢いたあとで確かめると脈が止まっていた。このままでは殺人タクシーは殺女子高生タクシーとなり、アイデンティティが失われてしまう。焦った殺人タクシーはショットガン女子高生の蘇生を試みた。とはいえ車体ではできる蘇生活動にも限度があり、とりあえずショックを与えるために何度も轢いてみることにした。タイヤがショットガン女子高生の身体を踏みにじるたび脈が戻っていないかを確認するが、やはり蘇生は上手くいかない。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でショットガン女子高生の死体を回収した。
この死体はちょっとした手違いでここに飛んできただけであなたは殺していない、と説明を受け、殺人タクシーは殺人タクシーとしての自分を取り戻した。
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