第1479話「りょくか! #7」
午前零時の美術室。
一枚の絵が現れた。
女子高生の肌の熱は言葉(一般人が想定する声や文字による意味のある表現を指す言葉。また、言語そのもの)よりもずっと明確に状況と、そして元緑化女子高生の想いを伝えていた。緑色に染めることばかりに注力していた彼女だが、緑化の力を失ったことで緑に対するこだわりが薄れ、世界を彩る数多の色に目を向けることができた。緑に塗るという本能的欲求は、美しい色を描く、という形に変わっていた。元緑化女子高生の変化は肌を通して絵筆の色怪人たちに伝染し、そうして一つの答えとなる。彼女に救われた命だ、ならば彼女の手助けをしよう。美しい色を描き出すための力と化そう。色怪人たちの宿った絵筆は、あらゆる色を自在に生み出す万能の画材となった。元緑化女子高生は魔法の絵筆と兵器にも匹敵する絵の力を手に入れた。
それから数時間後、誰もいなくなった部屋に長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい美しさの絵を見た。
以後、美術室のキャンバスと、時折校内で驚異的な完成度のグラフィティが目撃されるようになった。
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https://kakuyomu.jp/works/1177354054883346749/episodes/16817330648824127568
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