第1437話「クソデカ雪玉転がし」

午後二時、真冬の運動会。

非常に重い愛を雪玉にして出力する能力者が現れた。

クソデカ雪玉転がしの走破距離はフルマラソン(一般人が想定する42.195kmを走り切るタイムを競う競技を指す言葉。正式なマラソンとはフルマラソンを意味する)よりもずっと長いので、走行速度に多少の差があっても一切の影響がない。競技の主題は、雪玉を用意し、転がす、という部分にある。非常に重い愛を玉型にして出力する能力者は各チームに対して一度だけ能力を行使する。各チームは文章、想像、絵、その他何らかの手段で重い愛を表現し、雪玉を生み出してもらう。直径数キロにも渡るその玉を、超パワーをもって転がす。クソデカ雪玉転がしとはそういった競技なのである。各チームが用意すべきはクソデカ感情と超パワー。歴代一位の記録は同人女とスーパーサイヤ人のタッグによって作られたものだ。今年も銀河で稀に見るクソデカ感情と超パワーを備えた参加者が集まっていた。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で参戦を表明した。

まだクソデカと呼べるほど強い感情ではなかったのでレールガン女子高生の玉はごく小さく、それでも速度を出せば勝てたが、今回のレースは負けてやることにした。

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