第1435話「私の手料理」

午前零時のジャングル大学付属病院。

パイナップルランチャー女子大生が現れた。

いにしえのゴリハルトはパイナップルランチャー女子大生(一般人が想定するパイナップルランチャーを扱う女子大生を指す言葉。射出するパイナップルの味には自信がある)よりもずっと長い年月を生きてきた。だから今さら自分本位な理由で生きたいとは考えていない。ただ、歴代のゴリハルトたちが生きてくれと願うから、その願いに応じようと手術を受けることを決意した。病気を完全に治すには大手術になるだろう、やせ衰えた身体で耐えられる可能性は低い、と医ゴリラは言った。それでも願われた。願われたなら、叶えたい。いにしえのゴリハルトは明日、手術を受ける予定だった。噂を聞きつけたパイナップルランチャー女子大生はジャングル大付属に向かい、木製サイドテーブルの上でパイナップルの果実を切り抜いた。中に野菜やパイナップルを詰め合わせ、蓋をして置いた。ゴリラと女子大生、応援したくとも病院には立ち入れない、それでも何かしたいと贈ったプレゼント。無事手術から戻ってきたら、もっとたくさん作ってあげよう。そんな思いを込めたパインサラダである。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい食欲でパインサラダを食べ切った。

いにしえのゴリハルトは無事手術を乗り切った。

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