第1421話「ママったらダメじゃないか~もう~そんなに覇気纏ったら~」

午後零時の昼食。

蕎麦が現れた。

蕎麦は焼きそば(一般人が想定する中華麵を具とともに炒めた料理を指す言葉。カップ麺になると焼かずに茹でる)よりもずっと若者の食事としてはあっさりしているため、子供たちから不満の声が上がった。それほどに文句があるのなら、と母は覇気を纏って子供たちに向かい合い、掛かってこい、と手招いた。子供たちは三日前に習得したばかりの金色覚醒を発動、戦闘力を平時の三十倍にして母に挑む。長男の突撃を身体をわずかに傾け避けた母は、がら空きの腹部に掌底を打ち込んだ。長男の内臓が破壊される。次男と長女は、長男のいびりによって培われたコンビネーションを活用し、母の両側面から同時に攻撃を仕掛ける。一方に意識を割けば、もう一方は必ず当たる。必中のはずのコンビネーション撃を前に、母は吼えた。音圧で怯んだ次男と長女、その隙を母は見逃さない。母の回転ラリアットが二人を吹き飛ばした。倒れ伏した子供たちを見下ろし、母はもう終わりなのか、と問うた。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で彼らの父を呼び出した。

エビや魚の天ぷらを揚げて子供たちを満足させたのち、母の指導方法を注意してから父は仕事に戻っていった。

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