第1420話「Reset_53」

日付が変わる瞬間が引き伸ばされた時間領域の狭間。

梅雨が現れた。

梅雨という概念が美少女化した存在は夏(一般人が想定するうだるような暑さの中でまるで陽炎あるいは夢のように美しい少女と出会う季節を指す言葉。一目惚れから生じた恋心は今振り返ってみれば一過性の感情ではあったかもしれないが、しかしたった数日間というごく短い時で行われた交流は男の心に生涯に渡る歪みを残すことになった)を美少女化した場合よりもずっとウジウジしていてそれでいて嫉妬深く、梅雨から夏へと季節が移り変わることを素直に受け入れている人間が大嫌いだけど大好きだったので、神の力を会得して日付の更新がなくなるようにし、人間たちが梅雨の時期に永遠に囚われるようなループを作り出した。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で梅雨を破壊した。

すべての梅雨が失われ、日本は曖昧さのない四季を繰り返すこととなった。

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