第1415話「(まだ)存在しない同人誌のレビュー」

午前三時の部屋。

同人誌『追想無垢|変わってしまった雪風から目を逸らして生きる話』を読み終えた男が現れた。

雪風ックス同人誌はしおいセックス同人誌(一般人が想定する同人誌『夏色幻影|田舎のしおいちゃんと深夜の廃校舎でセックスして別れる話』を指す言葉。青と黒の不気味な雰囲気の表紙に中央で輝く箔押しが一目見てヤバいブツであることを示している)よりもずっとぱっと見は綺麗に見える。真っ白な砂浜と銀で表現された海の表紙にワンピースを着た雪風のシルエットが描かれ、それはまるで尊い物語であるように錯覚する。しかしその表紙の実体は、現在の雪風に目を向けられない主人公の心理であり、内容を追えば追うほどに歪んだ心の表現だと分かるようになっていた。つまり、装丁も踏まえた総合的な構成が完璧なのである。男はあまりの完成度と内容の辛さで眠れなくなった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で妄想のレビューを破壊しようとしたが、実際に作られたとき妄想と現実にどれだけ差が生じるか興味を持ったので攻撃を取り止めた。

いつかの日に見直したとき、実際のレビューを以下に追記します。

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