第1383話「真説・桃太郎」
午後六時のおじいさんおばあさん宅。
比喩表現としての桃が現れた。
まるで桃のようと言われがちな人間の部位は老婆(一般人が想定するおばあさんを指す言葉。年老いて皺だらけ)よりもずっと若い方が張りがあって素敵であり、実際、おじいさんが若かりし頃はおばあさんの桃からおじいさんの手が離れようとはしなかったし、中年くらいまではどれほどの回数夜を過ごしても片手で桃を撫で続けるのが常だった。そんなおばあさんの桃の切れ目であるが、鬼の悪行によってなくなってしまった。困ったおじいさんとおばあさんは相談の後、鉈で桃を二つに割ることに決めた。多少の血は流れるだろうが、体内に排出物が残る状況の方がまずい。おじいさんが勢いよく桃を裂くと穴が出現し、傷の治療を終えて再び桃を愛でることができるようになった一年後、子供が生まれた。比喩表現としての桃から生まれたので、子供は桃太郎と名付けられた。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で桃太郎の正体を暴いた。
桃太郎の正体は鉈の内部に潜んでいた寄生生物が成長し人間を模した姿であり、つまり桃太郎とは鉈太郎だった。
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