第1361話「喉の小規模な奇跡」
午前一時のベッド。
喉に空いた穴が現れた。
喉は乾き(一般人が想定する乾燥している状態を指す言葉。一般女子高生は喉の渇きを潤すために他者の血を欲する場合がある)よりもずっと潤いを求めるものなので、湿度の高い風が常に通っていると良いだろうと配慮した身体が奇跡を起こし、風邪気味の少女の喉に風穴を開けた。結果として風邪は治ったが、喉に穴の開いた少女は自分が声を失ったことを知り悲しんだが、それはそれで人と喋らなくていいので意外と快適であることに気付いてまあいいかという気分になった。いつしか少女は喉を通る風で音を奏でられるようになった。喉笛と呼ばれる奇跡の特技は、その美しい音色で多くの人間の心を癒し、世界に潤いを与えた。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で喉の穴を埋めた。
女の子の喉に風穴が開いているのはちょっと品がない。
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