第1349話「そのチョコは何で出来ている?(07)」
午前九時の校庭。
ミントを摘む女子高生が現れた。
ミント女子高生は兵器女子高生(一般人が想定する神造兵器を所持する女子高生およびそれに匹敵する戦力を保有する女子高生を指す言葉。最低でも一般女子高生五十人分以上の戦闘力がある)よりもずっと弱いが、一般的な女子高生と呼ぶには特異に過ぎる能力を発現している、いわゆる半兵器女子高生であった。ミント女子高生の特徴としてはミントの繫殖力強化が挙げられる。善意のもと彼女が手掛けたミントは異常な速度で成長を遂げ、土地を覆いつくして滅亡に追いやる。植え、育てたミントだけではない。バレンタインデーに用意したチョコ、その中に混ぜ込んだミントでさえ彼女の能力の対象となる。善意で配布した大量のミントチョコは一般女子高生の胃へと入り、数時間のち女子高生エネルギーを養分に発芽し高校を緑で覆う。それすなわち未来の惨状なのであった。
だが本来であればいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃一発ですぐにでも解決する問題だ。
偶然に偶然が重なっていた。レールガン女子高生はなりきり女子高生から貰えるであろうバレンタインチョコが楽しみすぎてしばらく寝ていなかったので、判断能力が鈍くなっていたのだ。
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