第1254話「戦略兵器・女無天」

午前八時の花壇。

ミントを植える女子高生が現れた。

竹女子高生はミント女子高生(一般人が想定するミントを植える女子高生を指す言葉。一般寄りの女子高生としてはかなり例外的にゆるふわで可愛らしく優しい性格をしており、たとえ相手が人間であろうとも穏やかに接する)よりもずっと女子高生らしい性格をしていたので戦いとなれば容赦せず、相手を竹で追い込んで仕留めるハンターだったが、そういう意味で警戒と出合い頭の逃走判断がしやすい女子高生であった。ミント女子高生という女子高生の行動は、善意で出来ている。殺意も敵意も何もなく、ただ、ミントが増えると良い香りに包まれて良いだろうという彼女にとっても優しさで、そこら中にミントを植える。脅威に気付いた頃はもう手遅れだ。地を埋め尽くすミントでいくつもの町が食糧難に陥り、飢えで滅亡した。微笑みとともに死を与える姿を、暗殺の天使だと人は呼ぶ。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でミントを焼き払った。

灰が肥料となり、ミント滅亡跡地は良質な畑としてイモ類の耕作に使われた。

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