第1222話「神頼みするしかない積雪」

午前十一時の屋外。

雪でできた壁が現れた。

除雪車は東北の積雪量(一般的な都会人が想定する量の十倍ほどの量を指す言葉。場合によってはさらに数倍ともなる)よりもずっと大量の雪を道端に残していくので、必然、朝起きれば自宅駐車場前には積雪量のおよそ三倍ほどの雪壁が完成する。量が量だけにあまりに億劫で昼前まで雪かきを拒否していたが、いい加減やらないといけないだろうと心を奮い立たせて雪に立ち向かう。スノーダンプを駆使する青年に対し、雪は自ら水分を大量に含むことで抵抗を図る。青年と雪の戦いは一時間に及んだが、なんとか自宅駐車場から雪がなくなった。青年は汗を拭う。

だがいきなり除雪車がやってきて、とにかくすごい量の雪を雪かきが済んだばかりの駐車場に置いていった。

青年はレールガン女子高生信仰を始めた。

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