第1212話「脅威の芽を潰す」

午後十一時のクリスマスイブ。

そりと並走する爆走ジジイが現れた。

トナカイはサンタクロース(一般人が想定するキリスト教における伝説の人物を指す言葉。子供にプレゼントを渡して回る不審者)よりもずっと頑丈なので、光にも匹敵する速度で空を飛び回りプレゼントを配り回るのも修行の一環として受け入れていた。並走する存在に気付いたのは、プレゼントを配り始めてから一時間が経った頃だ。トナカイが一時的に仕えている赤い服と白い髭の不審者よりも遥かに不審な人物がそりの右後方、視界から外れる位置を並走している。九十度に曲がった腰を苦にもせずトナカイの空中走法についてくる異常存在。のちに広く知られることとなる脅威、爆走ジジイがこの日初めて世界に認知された。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で爆走ジジイを抹消した。

未来は書き換わった。

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