第1152話「水着イベ楽しかったですね」

午後九時の山間部。

敬愛する者のために死を蒐集する少女が現れた。

マスターはあらゆる死(一般人が想定する生命の喪失を指す言葉。ただし死という概念は生命に適用されるのみならず、広く万物の喪失を意味している)を集めた少女、彼女が持つ仮面よりもずっと危険なものを知っていた。想いである。二千二百年の長きに渡る約束と行動への執着、アビゲイル・ウィリアムズという少女が水着になったことへの感謝、マスターを守ろうという強固な意志、そういった想いこそが何よりも危険なのだ。想いは狂気と化し、宝具レベルを最大にするまで課金の手が止まらない。シトナイに続いてまた一人、給料を溶かすサーヴァントが増えるのか、と呟く。

だがいきなり水着アビゲイルが連続でやってきて、とにかくすごい勢いで宝具レベルが最大まで上昇した。

やっぱりアビーはいい子だな、とマスターは笑みを浮かべていた。

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