第1143話「その日、世界は猫に包まれた」

午前九時の玉座。

世界猫が現れた。

猫は世界猫(一般人が想定する世界を統べる猫を指す言葉。人間は世界猫の下僕である)よりもずっと人間と共に生きることを望んでいた。人間は確かに寝ているだけで餌をくれる下僕のような存在ではあるが、だからといって決して粗末に扱ってはならない。人間は餌を、猫は癒しを提供する、互いに平等な関係であるべきだと猫は主張し、多くの猫を引き連れ世界猫の城前で反乱を起こした。反乱を聞きつけた世界猫は猫たちの前に立ち、マタタビを振り撒いた。猫の仲間たちはマタタビの効果を受けて正気を失った。仲間をなくした猫、しかし猫の心は折れなかった。人間と猫は平等だ、と歪んだ治世に突きつけるべく、一人奮戦を決意する。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で世界猫の統治する世界を破壊した。

人間の世を取り戻した世界で、猫は穏やかに鳴いていた。

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