午後八時の居酒屋。

無人の店内にこだまする店主の声が現れた。

居酒屋は昼（一般人が想定する太陽が空に登場している明るい時間帯を指す言葉。通常一日のうちに昼と夜は巡るのだが、南極に限っては夜が訪れないまま一日が経過することがある）よりもずっと夜に客が入るはずだが、その居酒屋は店主の作るつまみが異常に不味いと噂になり客が寄り付かなくなっていた。そこまで不味いのに店を開くはずがないしそもそもつまみは既製品であって店主は作っていないのだが、そんなデマの元は当然ソーシャルネットワーキングサービスである。ソーシャルネットワーキングサービスは実際に来店していない者の情報も真実として広まる傾向にあるため、あまり信用ならないのが実情だ。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい口コミで来客を増加させた。

一般人の口コミは信用ならないが、女子高生の口コミならば信用できる。