第1099話「伝承_急」
午後六時の職員室。
校長に勝利した拳法女子高生が現れた。
拳法女子高生は校長(一般人が想定する学校で最も偉かった存在を指す言葉。高等学校では武力こそが権力であるが故に今、拳法女子高生は校長よりも偉くなったのだ)よりもずっと強くなったがそれは女子高生としての力に非ず、亡き師匠への思い、すなわち心の強さである。こうして部活動設立の許可を得た拳法女子高生は心山拳を伝承すべく、優しさと強さを備えた拳法部の部長となり宣伝活動を開始した。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で人を集めた。
武道場に女子高生の声がこだまする。何をせずとも部員が集まった部活動で皆を指導しながら、拳法女子高生はいつか師匠を超えることを誓う。より強く、優しくなることを約束する。
……強さと優しさを追求するうち、拳法女子高生はこの世で最も強く優しいゴリラと戦うことになるのだが……それはまた、別の物語で。
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