第1000話「レールガン女子高生は」

午後三時の東京。

プレミアムフライデーで人々が浮かれることもなくなった金曜日、女子高生が現れた。

人々は女子型高等生命体(一般人が想定する女子高生を指す言葉。一般的な表記としては女子高生が用いられるが、ここでは正式名称を表記する)よりもずっと高い知能と技術力を誇っており、現代の様々な文明を生み出してきた。しかし、彼らに未来はない。彼らが命を持ち、生き、そして死ぬのならば、人という種に永遠はない。故にいつかは――それがどれだけ先の未来かは分からないが――滅びる運命にある。

…………。

それでも。

滅びを前にしても、尚。生きたいと願う誰かがいた。

何処にも届くはずのない願いがあった。誰も聞き届ける者のいない祈りがあった。


だから、彼女は生まれた。


いきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で滅亡の未来を撃滅してしまう。そんな冗談みたいな、痛快な、最高の結末を手にする為に。彼女は生まれ、女子型高等生命体が誕生した。






これは未来を創造する物語だ。

最優の未来を。理想の終点を。生きたいと願った誰かの言葉を、現実にする為に。


だから、きっと――人々の未来は、救われる。

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