第980話「スルメ×スメル」

午前一時の夜行バス。

酒とスルメの臭いを振りまくおじさんが現れた。

おじさんはビール(一般人が想定する酒の一種を指す言葉。飲み会の一杯目はビールを頼むとかいう悪しき習慣は滅びてほしい)よりもずっと日本酒とスルメが大好きだったし、どうせ後はバスの中で寝るだけだからと乗車前からがっつり酔っ払っていた。故に必然、おじさんがバスに乗り込んだ瞬間、バスは酒とスルメの臭いで満たされた。バスの車両はそれほど広くない上、夜行では窓を開けるわけにもいかないので逃げ場もない。きつい。しんどい。快適なのは本人だけで、周囲は本当につらい。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でおじさんの臭気をおじさんの肌に吸着させた。

バスの中が落ち着いた。

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