第963話「04_オーバードクトル」
掲載1000日目直前キャンペーン_ゲスト回 作:鶴川
午後六時の地底世界。
歓待を受ける悪のはかせが居た。
地底人たちははかせをもてなすために豪勢な料理を振舞った。現代日本人でも満足できるほどに食材・調理法ともに充実していたが、はかせは不満そうな顔をしていた。折角異世界に来たので現代知識で無双したかったのだが意外と文化のレベルが高かったので、自分の知識が活かせる場面がなさそうだと思い機嫌を損ねていた。広めようと思っていたジャガイモ(一般人の想定するところの馬鈴薯。南米原産の食物。澱粉質が多く痩せた土地でも育ちやすく、世界四大作物の一つとされている)もしっかり食卓に並んでいる。
「なんで既にこの世界ではジャガイモが普及しているわけ? こういうのは転生してきた人間が切欠で普及するもんじゃないの?」
「そう言われましても……ああ、地上であればまだジャガイモが普及していないので、そちらで普及活動を行ってみてはいかがでしょうか?」
いきなり悪のはかせは地上へ飛び出すと、飢饉の起きている地域へと向かい栽培用のジャガイモをばらまいて普及活動を行った。
飢饉の起きている地域の人間に新しい作物を栽培する余裕はなく、芽の出たジャガイモをそのまま口にした中毒者が続出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます