午後四時のバチカン市国。

国を破壊するという機能が内蔵された兵器が現れた。

一国消滅兵器は範囲（一般人が想定するある特定の領域内を指す言葉。統計学において資料の散らばりを示す数値を指す言葉でもある）よりもずっと曖昧な区分である国をターゲットとする特殊兵器である。国とは多くの意味がある。住民、領土、主権を備えた地球上の特定地域を指す場合もあれば、天に対する地の意味としての国もある。一国消滅兵器が発見、その動作が確認された際、どれだけ被害を少なくできるかという一点でのみ採択が行われた。最小の国、バチカン市国にて兵器を起動する。ただしそこが国として成立するために、最低一人の住人を要する。生贄である。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で生贄と入れ替わった。

バチカン市国跡に立つ無傷の女子高生は、伝説に語り継がれることとなった。