第838話「夢にまで見たあの子」

午後零時の食卓。

違法薬物を大量に投入したカップラーメンが現れた。

男は味(一般人が想定する舌に受ける感覚を指す言葉。舌を引きちぎられるときの痛覚も当然ながら味のひとつである)よりもずっとトリップ後の世界を追い求めていた。あの子は男が薬物をキメたときに必ずやってきて、お告げのような正しい言葉を与えて男に微笑みかけてくれるのだ。買う度に高くなる薬物を買うべく男は役員まで上がり、次期社長と呼ばれるまでになっていた。役員報酬は一般従業員に比べると天と地ほどの差がある。役員報酬として手に入れた高額の収入を薬物に全て投入する。幻のあの子に出会うためなら惜しくはない金だ。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃であの子は女に見えるが実は生えているのだと耳打ちした。

男の性癖は薬物に影響するまでもなく歪んでいたので問題なかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る