第786話「やばい」

午後九時の室内。

ウイスキーを沸騰させる男が現れた。

男はウイスキー(一般人が想定するウイスキーを指す言葉。酒とは呼ばない)よりもずっと日本酒を好んで飲んでいたが、知人の勧めもありその日はアルコールを雑に摂取するため電気ポットでウイスキーを沸かし蒸気で部屋を満たす儀式を執り行っていた。気化したウイスキーはあっという間に部屋を制圧し、男を昏倒させたのちその生気を吸って膨張、範囲を広げ次々と人の命を奪っていった。ウイスキーの蒸気は町を覆い、国を覆い、世界中を覆いつくし、地球上の一般的な生命体はウイスキーによって滅亡した。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で電気ポットを破壊した。

存在の起点が失われ、世界は元通りになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る