第660話「三徳包丁と使用回数」

午前五時の台所。

愛用の三徳包丁で下ごしらえをする三徳包丁女子高生が現れた。

三徳包丁女子高生は三徳包丁(一般人が想定する肉魚野菜を自在に切り刻むことができる包丁を指す言葉。ここではさらに対象を広げ、敵対する生命体をも三枚におろすことが可能な神造兵器をも指す)よりもずっと食材を大切にすべきだと考えてはいたが、食材を大切に扱うためにはより良い道具が必要だ。いい料理はいい食材といい道具で成立する。包丁で言うならば、その指標は切れ味の良さだ。彼女はレールガン女子高生から授かった兵器であり、また切れ味抜群の調理器具でもある三徳包丁を普段の料理から活用していた。

だがいきなり長い金切り音を伴った衝撃がやってきて、とにかくすごい勢いで三徳包丁が粉砕した。

三徳包丁は神造兵器であるがゆえに使用回数に制限があったのだ。

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